東京学芸大学付属+++中学校 (2010年春、附設3校のうちの1校の例)
平成22年春 卒業生の高等学校進学・合格状況 (平成21年度卒業生)
('10.5.23 暫定版 ・・・ 公式公開情報が出ればこれに差し替えます。)
さて、今年もデータをいただきましたので、少し関係した話を記載したいと
思います。 この記事は現在更新中です。 内容が確定しましたら、該当する
ページ箇所にも反映していく予定です。
過去(昨年=2009年)の結果と関連記事は こちら (H21(2009) TGDSTG.html)。
全般的な話はH21(2009年)年度版の方に書いているので、ここでは今年の(H22
=2010年春)に特化したものを記載してみたいと思います。 下方に掲載します。
−−−−−
進学先一覧(2010年 概要)
男子 女子 合計
卒業生総数 79 80 159
東京学芸大学附属高校進学者(*) 37 41 78
都立(*)、県立(*)、私立、他国立(*) 進学者 42 39 81
(*) 附属高校に不合格または辞退しなければ都立・県立を受験することはできない。
同、他の国立高校の受験日は附属高校(内部)と同日のため、敢えてこれを受験
するためには内部枠を辞退して、他の外部生と同様に一般受験する必要がある。
−−−−−
合格校一覧 男子 女子 合計
国立 東京学芸大学附属高校 37 41 78
筑波大学附属駒場高校 2 2
東京工業大学附属高校 2 2
都立 日比谷高校 1 1
青山高校 2 3 5
西高校 1 1
駒場高校 2 2
国際高校 1 1
総合芸術高校 3 3
新宿高校 1 1
新宿山吹高校 1 1
田園調布高校 1 1
広尾高校 1 1
三田高校 1 1
豊多摩高校 1 1
県立 湘南高校 1 1
横浜翠嵐高校 2 2
神奈川総合高校 1 1
横浜サイエンスフロンティア高校 2 2
私立 慶応義塾女子高校 12 12
開成高校 7 7
早稲田実業高校 1 1 2
早稲田高等学院 7 7
早大学院本庄高校 1 1
早大学院佐賀高校 2 2
早大学院摂津高校 1 1
早大シンガポール 1 1
慶応志木高校 5 5
慶応義塾高校 3 3
渋谷教育学園幕張高校 3 1 4
豊島岡女子学園 6 6
海城高校 4 4
国際基督教大学高校(ICU) 2 2 4
スイス公文 1 1
桐朋高校 1 1
桐光学園高校 2 2
山手学院高校 3 3
桐蔭学園高校 27 29 56
市川高校 1 1 2
巣鴨高校 1 1
城北高校 5 5
青山学院高校 2 4 6
明治学院高校 5 4 9
明治学院東村山高校 1 1
立教新座高校 3 3
成蹊高校 1 1
淑徳巣鴨高校 4 4 8
青陵高校 3 1 4
東京農業大学第一高校 1 6 7
日大櫻丘 1 1
日大鶴ヶ丘 5 5
法政大学附属 2 1 3
法政大学女子 1 1
法政二 4 4
中央大杉並 3 3
中央大附属 2 1 3
中央大学高校 2 1 3
東海大高輪台 1 1
多摩大目黒 1 5 6
國學院久我山 6 6
國學院 6 4 10
淑徳 1 1
本郷 1 1
朋優学院 3 3
目黒学院 2 2
佼成学園 2 2
関東国際 2 2 4
杉並学院 1 1
成城学園 2 2
十文字 1 1
東京 1 1
広尾学園 1 3 4
都市大等々力 3 3
鎌倉学園 1 1
暁星国際 1 1
駒沢大学 1 1 2
昭和学院秀英 1 1
日工大駒場 1 1
富士見丘 1 1
横浜創英 1 1
実践学園 1 1
立命館宇治 1 1
私立合格者合計 135 115 250
男子 女子 合計
国立合格者合計 41 41 82
都立県立合格者合計 (※) 9 16 25
私立進学者合計(推定 #) 29 23 52
私立辞退者合計(推定 #) 106 92 198
(※注)通常私立、国立が第一希望校の場合、都立県立は受験しない。
(#注)私立の合格発表は国立高校の入試日(例年2/13)よりも早い
ところがほとんどである。
−−−−−−−−−−
今年の結果の特筆事項
(具体例による国立中学校の附設高校内部進学、外部受験に関する話)
この年の東京学芸大学付属+++中学校(2010年春、附設3校のうちの1
校の例)を、昨年度(2009年春、大泉を含む附設4校のうちの1校の例)と比
較すると、以下の2点を大きく取り上げることができると思います。
(1) 昨年は幅広い高校に分布していた受験層が、今年は減り、比較的数
少ない高校への受験になった。
(2) 筑波大学附属駒場高校、東京工業大学附属高校といった、他の国立
高校へ(外部受験して)進む生徒が増えた。
(1)は年によって変わる傾向などもあり、あまり大きく取り上げるべきもので
はないかもしれません。 昨年、幅広く分布していたのは、いわゆる「すべり止
め」あるいは併願の部分と考えられ、これは複数すべり止めや多くの併願を設
定したため、幅の広い分布になったと見ることができます。 今年(’10春)は
その部分が少なかったと考えてよいかと思います。
これには、学校側の受験指導効果が大きいかもしれませんが、もう一つ、(こ
の年度は)全体的に平均的にこれらの附属中学校生徒の学力レベルが上がっ
たということが要因として挙げられます。
これは合格の実績などを見ても分かるとおり、いわゆる難関と言われている
私立高校他、難度の高い併願校への合格数が増えていることからも推測され
ます。 つまり、受験校決定の最終段階で、不安要因をなくすためにもう一校く
らい併願するか否かを検討する場面が訪れるかと思いますが、そこである程度
自信があれば、もう一校受ける必要はないと判断しますし、不安に思う生徒さん
が多ければ、もう一校別な学校を受けておこうという判断になります。 受験校
が増えると、受験料もかかりますし、入学金納付の日程と合格発表の兼ね合い
のやっかいな要因も増えますし、受験生の負担が増えることが一番の懸念事項
になりますので、皆、自信があればできるだけ受験校は減らしたいと考えます。
従って、こうした平均的な学力の傾向というものは、学校全体で見たマクロな受
験状況に見えてくるものがあります。 私立全体の合格数も ’09年春の305人
→ 250人(’10春)に減っていますが、これは受かる人数が減ったのではなく、
併願校や「すべり止め校」を受ける人数自体が減ったことを表しています。
(併願の)私立高校の受験者数が減ったのとは逆に、いわゆる難関と言われ
ている高校への合格者数が増加していることからも、こうした現象が読み取れる
かと思います。
さてこの学力の傾向に(若干ですが)影響を与えた一つの要因に、附属大泉
中学の中高一貫化が遠因として影響している可能性があります。 大泉中学は
’10春卒業生からはそのまま一貫高校に進学することになる、ということが以前
より発表されていますので、附属中学校を経て東京学芸大学附属高校(世田谷
区)の方に進学することを一つの目標に考えている生徒さんは、その代からは中
学受験の際、大泉ではなく他の附属中学3校(竹早、小金井、世田谷)に分散す
ることになります。
それ以前は大泉と他の3校のいずれかが通学圏にあった場合には、近い方に
行ったわけですが、この’10春の卒業生の世代からは流れが変わったことにな
ります。 その結果として若干、これら3校の学力レベルの上昇に影響を持った
可能性を挙げておきたいと思います。 そしてこの現象の1つの表れとして、ここ
数年、これら附属3校の中学入試難易度は上昇傾向にある、ということも挙げら
れるかと思います。
−−−−−
なお、附属大泉の中高一貫化に伴う附属高校の内部進学の難易度は、ほとん
ど影響が無かったと推定される、ということを蛇足ながら補足しておきたいと思い
ます。
つまり、’09年春までは、大泉を含めた4校で男女各120名、合計240名が内
部枠で進学し、大泉からは例年、男女合計で35〜40名程度が進学していました。
内部枠が公表された’08年春には、大泉から37名が進学していましたので、その
時は若干易化すると予想されていましたが、’09年春の進学数は32名であり、こ
の人数が0になった分、内部進学枠が26人減少するという帳尻になっています。
(’10春までの内訳詳細は以下のとおり)
’10年春 ’09年春 ’08年春 ’07年春 ’06年春
大泉 − 32名 37名 41名 33名
竹早 76名 71名 72名 76名 73名
小金井 60名 66名 57名 49名 56名
世田谷 78名 71名 74名 74名 78名
合計 214名 240名 240名 240名 240名
しかし、実質的には附設高校進学を考える生徒さんを中心に見ると、それまでは
4校に分散していたところが、3校に分散することとなり、それにも関わらず枠は26
人減少していますので(逆に外部枠を増加)、内部枠はこの26/240(約11%)
だけ難度が上がったと見た方がよさそうです。
−−−−−
さて長くなりましたが、(2)の方の話です。
(2)の方が(1)よりも大きなものとして取り上げるべきと思います。
’10春にこの東京学芸大学付属+++中学校から、筑波大学附属駒場
高校への受験合格者が2名も出ています。 これは何を意味するのか。
資料を提供してくださった方の意見、あるいは筆者のような凡人の考えでは、
内部進学の枠を放棄して外部枠で難度の高い別の国立高校を受験するなどと
いうことは、まず考えられないですし、もし考えを持ったとしても、まず実行時に
決断できることではないように思われます。
この話に取り上げた筑波大学附属駒場高校は、全国でも以下のように最難関
の高校として知られています。
男子校: 灘高校、筑波大学附属駒場高校、開成高校、東大寺学園高校
女子校: 慶應女子高校、お茶の水女子大学附属高校、豊島岡女子学園
共学校: 東京学芸大学附属高校、筑波大学附属高校、早稲田実業高校、
久留米大学附設高校、渋谷教育学園幕張高校
(駿台模試資料より、外部一般受験で最も難度の高い各数校をリスト)
そしてこの辺になると、どこまで学力があっても安心して受験できる状態という
ものはないと言われています。 ちょっとした出題傾向の差や出来不出来のゆら
ぎ、体調の良不良による影響で結果が大きく変わることがあり、同じレベルにあ
る生徒が多く受けに来ていますので、かなり自信のある生徒さんでも、不合格の
リスクも大きいと言わざるを得ません。
こうした難関の学校、あるいは難関の私立などにも多数の合格者を出しており、
この例に挙げた附属中学の教育レベルの高さや、生徒への学習意欲向上への
動機付けには非常に良いものがあるという点では、この中学の教育内容に高い
評価をすることができるということをまず一点挙げたいと思います。
しかし、こうした(まず大丈夫というレベルが存在する)内部枠を放棄して、なぜ
不合格のリスクがより高い、同じ国立系列の外部枠の高校を受けたのかという
点についても考える必要があるかと思います。 この2名という数字は、こうした
リスクをおかしても「2名も」外部を受験したと見るべきかと思います。
(1) 距離的な問題
(2) 共学ではなく男子校を希望
(3) 教育方針
(4) もともと中学受験をした時に別の私立に行きたかった。
などのいくつかが挙げられるかと思います。
今年の内部生の附設高校応募概要(H22(2010) TGDKK_JK.pdf)を見ると、志願を
出しておいて実際の受験をしなかった生徒が男子12名、女子4名います。 これは
私立が第一志望で附高が第二志望以降だった者の人数を表しています。 (ここで
取り上げた筑駒が第一志望の場合は内部の応募はできない) これは昨年の16名
(男子8名、女子8名)と同等の数字です。 附属中学3校の合計として、毎年だいた
いこの程度の割合で、私立を第一志望にして、合格して附設高校を棄権する生徒が
いるということは事実として言えます。
ここで合格者数を掲載したのは、附属中学3校の内の1校だけの例ですので、
これだけ多くの私立に合格しながらも、男子12名、女子4名だけが外部私立に
行き、逆にその残りは皆附設高校が第一志望で私立は併願であったということも
できます。
しかし、ここで取り上げた筑駒を受験するには、同じ日に行われる内部選抜を放
棄する必要があります。 通常の感覚では、私立が第一志望であったとしても、不
合格時の押さえとしては、より確実に合格する可能性の高い内部選抜を残しておく
ものと推測されます。 これを放棄したということは、リスクを犯しても、私立が不合
格の場合でも附設高校には進学しないということの意志表明であり、これが2名も
出ている事実を高校側は受け止める必要があると思います。
東京学芸大学附属高校は男女共学の高校として、男子も女子も非常に向学心
の高い、学ぶことに強い意志を持った生徒さんが集まってきており、そうしてお互
いに学ぶことへの刺激を受け合っている環境があります。 これがこの高校の高
い人気の一つの理由です。
しかし逆に、
※※※ 52行省略 ※※※ (パスワード種別Bページへ) パスワード種別Bはマジック「虹を作ろう」に付属しています。
(2010.11月 追記)
ただ最近はここの学校方針の中に、しっかりと生徒の学習指導、進路指導を行うと
いうことを明言してきており、実際に校内で行われている指導について具体的なこと
に言及するようになっています。
前述や別のページで記載しているように、実際これまでもそうした生徒指導はしっか
りと行われていますが、もう一方のより高い目標である、本物志向、思考する力、論述
や表現する力を付ける、特定分野に限定せず広く学ぶ、などといった、「幅広い教養を
身に付けること」と方向的に違っている面があり、その内容を前面に出してこなかった
のではないかと思います。
こういった指導面も、これから受験しようという生徒さんやそのご家庭では高い関心
を持って各学校を見ていますので、最近の方向としてはこれを強化して、そうしたことも
説明会などでしっかりPRしているのではないかと思います。
↓ publicのページに飛びます。
(passwdページから入った場合には、ブラウザの戻るボタンで。)
<<国立中学の教育へ戻る>>
<<国立中学の教育 〜 進学先一覧に戻る>>
<<全国の国立小学校一覧>>
<<国立高校の教育へ戻る>>
<<国立高校の教育 〜 進学先一覧に戻る>>