(1)準備材料
・ペットボトル本体(350ml程度の小さいものがよい。本体に傷や穴、裂け目などのないもの。)
・ペットボトルにぴったりはまる栓(外れやすいもの)
ここでは、手品に付属している点眼容器の底を切り取り、ペットボトルに栓として取り付け、点眼部分の栓が外れやすいことを利用して、噴射時限弁/噴射口として利用しています。
ペットボトルの種類によって、栓としてゆるいものがありますが、サントリー社のウーロン茶ペットボトルが、ぴったりはまって最適でした。
(なお、手品のうち、1-3a 「突然ワイン」は、この点眼容器が1個すぐに不要になります。)
・重曹(1回8g程度)
・クエン酸(1回6g程度)
(炭酸ガスの発生する組み合わせはたくさんありますが、重曹とクエン酸は食品にも使われる安全度の高いものですので、この組み合わせが一番よいでしょう。)
・細長いスプーン(ペットボトルの口に重曹を入れるためのもの)
・水(1回 230ml程度)
・ペットボトルを逆さに立てる容器
・水を張ったバケツ
(回収したペットボトルや点眼栓を洗ったり、飛ばずに失敗したペットボトルをこの中で処理します。)
(2)手順
・上記材料を準備します。
ペットボトルに傷や裂け目、穴などの異常がないことを確認します。
・点眼容器の底を切り取ります。(必ず底を切り取る必要があります。)
・点眼器栓を外します。
(その外側の白いネジ式栓は不要になります。これで栓をすると、栓が外れず、ペットボトルが破裂する危険性があります。)
・点眼器栓の穴をようじの先端などで、内側からふさぎます。
・点眼器栓を点眼器本体に取り付けてみます。
・重曹を8g程度(写真の細いスプーンの場合、山盛り3~4杯)ペットボトルに入れます。
・点眼器栓のついた点眼器をペットボトルに取り付けます。
ここで点眼器栓を一旦外します。
・水を2/3程度入れます。350mlのペットボトルの場合230ml程度を入れます。
原理のところで記載したように、この分量のバランスが重要で、もう少し少ない方が良く飛びますが、薬量が不十分だと飛ばない可能性が高くなります。(飛ばなかったペットボトルは、注意事項のところで記載したような安全な方法で、中のガス圧を解放してください。また、飛ばなかったペットボトルを持ち上げた時に、栓にかかっていた自重が、かからなくなくなって点眼栓が外れ、突然中の水が噴き出すことがあります。)
・ここで準備は完了です。
ここからは公園や空き地などの、屋外の広い場所で、周囲に人がいないことを確認してやってください。
・ペットボトルロケットを飛ばす場所に、発射台(ペットボトルを逆さに立てる容器)を設置します。
・折り曲げた紙などに、クエン酸をとります。
分量は6g程度、写真の細いスプーンの場合、山盛り3杯程度です。
・ここからは手早くやって、準備が完了したら素早くその場から逃げてください。
・点眼栓を外したところから、クエン酸を一気にペットボトルに入れます。
・泡が出始めますので、手早く点眼栓をして、ペットボトルを逆さにし、軽く中身を振って、発射台に立てます。
・その場から素早く逃げてください。
・ペットボトルロケットが飛ぶと、周囲にクエン酸と重曹の含まれた水をまき散らしながら飛びますので、10mくらい離れたところから観察します。
・飛んだら、ペットボトルと外れた点眼栓を回収します。
・少し洗えば、再利用できます。
炭酸ガスの発生した反応:
重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸が反応して、クエン酸ナトリウムと炭酸ガスと水が発生し、水に溶けきれない炭酸ガスの圧力で点眼栓が外れ、噴き出した水の反作用でペットボトルが飛びます。
その化学反応は以下のようになります。
3重曹 + 1クエン酸
3NaHCO3 + HOOCC(OH)(CH2COOH)2
→ 1クエン酸ナトリウム + 3炭酸ガス + 3水
→ C3H4(OH)(COONa)3 + 3CO2 + 3H2O
重曹(炭酸水素ナトリウム)はモル等量84、 クエン酸は192.12ですから、上記反応では比率として重曹252gに対しクエン酸192gが反応することになります。
しかし、実際はクエン酸が粒状結晶で溶けにくいことと、溶液が酸性の方が炭酸ガスが水に溶けにくくなるので、クエン酸が多めの方がよいでしょう。
発生する炭酸ガスの量:
上記反応式より、重曹252gとクエン酸192gが反応しますと、3モルの炭酸ガスが発生します。1モルの気体には分子数で6.02×1023個の分子が含まれ(アボガドロ数)、体積では22.4リットルとなりますので、(水に溶ける分量を無視すると)252gの重曹と192gのクエン酸が反応しますと、67.2リットルの炭酸ガスが発生します。
8gの重曹と6gのクエン酸の反応の場合は、完全に反応すると2.1リットルの炭酸ガスが発生する計算になり、反応しきる前に点眼栓が外れて飛んでいくことになります。
(もし外れないように、しっかりした栓をしてしまうと、残った100ml程度の空間に2.1リットルの炭酸ガスが出ようとしますから、水に溶けなければ22気圧という高い圧力になります。・・・水に溶けるのでそこまではいきませんが、注意しましょう。)
作り方は簡単ですが、間違えるとペットボトルが破裂したりして危険なので、大人の方に見てもらって、原理を考えながらやってみてください。(飛んできたペットボトルや栓でけがをしたり、衣服を水浸しにしたり、あわてて逃げる際に転んだり、ペットボトルが破裂して破片でけがをしたり、と悪い事態も想定されますが、当方では責任を負いかねますので、やってみる場合には、自身の責任で実施ください。)
原理:
ペットボトルの中で、炭酸ガスの発生する反応を起こさせ、ガス圧を蓄えて一気に中の水と共に噴き出させて推進力を得ます。 ペットボトルと外れやすい栓を用意します。ペットボトルに、水を入れ、その中に混合すると炭酸ガスの発生する薬品(重曹とクエン酸がよい)をに入れ炭酸ガスを発生させ、すばやく栓をします。中のガス圧が高まると栓が外れ、ガスに押されて水が噴き出し、その反作用でペットボトルが飛びます。
入れる水が多いと、圧力を蓄える空間が狭いためすぐに栓が外れて飛んでしまいます。また、水がたくさん入って重い状態で飛び出すので、あまり飛びません。 逆に水が少ないと、圧力を蓄える空間が大きいためなかなか栓が外れず、飛ばずに失敗する危険性が高くなります。しかし逆に飛ぶときは、栓が外れた瞬間に多くの水が噴出して、高い推進力が得られると同時に、中の水は瞬間的に噴き出して軽くなったペットボトルを推進するため、たいへん良く飛ぶようになります。
水が少なすぎると、なかなか栓が外れないのは同様ですが、さらに栓が外れたときに噴出する水が少ないため、推進力が十分得られず、あまり飛ばなくなってきます。
このバランスが重要です。
注意事項:
(1)飛ばずに失敗したペットボトルを処理するには、水を張ったバケツに沈めて、ボトル周囲を押すと点眼栓が外れます。取れないときは、同様に水中で点眼栓をラジオペンチなどで挟んで引っ張り、外せば安全に処理できます。その前に、目などに安全めがね、塗れてもよい服、ゴム手袋などの手を保護するものを用意して、ペットボトルに雑巾を巻き、手をゴム手袋などで保護します。
(2)「飛ばないな」と思って近寄ると、突然飛んで、栓が当たったり、中の水がかかることがあります。
(3)噴出口から栓が飛びます。噴出口を人に向けたり、ペットボトルを人に当てないよう注意ください。
(4)クエン酸は市販の小さな粒状結晶状のものが良く、溶けにくいためガス発生が遅く、飛ぶ前に近くから逃げる時間が確保できます。 入れてすぐに溶けてしまう粉状のクエン酸では、ガスの発生が早く、飛ぶ前に逃げる時間が十分確保できません。
(5)重曹、クエン酸、これらの溶液などを目や鼻等に入れないようご注意ください。目や鼻にしみます
方法詳細例:
例えば、本サイトで示したものは、以下の材料と方法で行っています。
2c 科学ロケットで遊ぼう
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・色の手品、
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